「金のいぶき」開発ストーリー
〈開発ストーリー〉一覧|File 01|File 02|File 03|File 04
多用途で多機能性を持つ原料へと進化。
その可能性を着実に広げるステージへ。
■東北胚202号は玄米食専用品種「金のいぶき」へ
東北胚202号は品種登録用の準備が整った。名前は「金のいぶき」と決まった。
東日本大震災からの復興は始まったばかりだ。失ったものを数える日々から、誰もが前を向けるようになるには時間が必要だ。「金のいぶき」は震災の年に生まれたと言っても過言ではない。玄米だから美味しくないだろうと固定概念で決めつけていた時、「この玄米は美味しいんです」と強く反論した永野の言葉は、自ら開発した玄米食専用の品種を主食として成立させる強い意志の表れだった。津波を被った圃場でもしぶとく生き抜いた力と、炊飯器を開けた時に立ち上る湯気の中から現れる金色に輝く粒立ち。そして、その存在としての力強さ全てを象徴する大きな胚芽はまさに生命のいぶきだ。それを丸ごと味わうことこそ、このお米自身が世に出た意味ではなかったか。そしてそれが超高齢社会を迎え、誰もが健康に生きていく時代における主食用米としての使命なのではないか。
2013年を境に、金のいぶきは一部販売が開始され評判が広まっていった。栄養豊富な玄米を美味しく食べたいという潜在需要はあるのだ。マスコミにも取り上げられるようになり徐々に認知が高まり始めた。
■高機能玄米「金のいぶき」。実りの秋へ
この玄米に注目し用途開発を進めて来た日本発芽玄米協会は、2014年「高機能玄米協会」と名前をあらため、金のいぶきを戦略的米資源とすることで、多用途で多機能性を持つ原料へと進化させる計画を立てた。
金のいぶきの米糠と胚芽をオリーブオイルのように自然に絞った米油。金のいぶきを全粒粉にして冷凍保存が出来るパンや、小麦のように時間がたって溶けない麺。また発芽させることで、日本中のお米の中で最大の栄養価を記録した発芽玄米。
金のいぶき玄米麺マカロニタイプ使用「根菜と玄米マカロニの味噌風味グラタン」
金のいぶき玄米粉使用「シフォンケーキ」
金のいぶき玄米粉使用「リンゴのケーキ」
金のいぶき「牛肉とねぎのまぜごはん」おにぎり
一般玄米食用の玄米として安全に食べられるよう、表層を殺菌する技術開発も始まった。2014年秋。種籾から丁寧に育てあげ、農家が丁寧に育てあげ、初めて本格栽培された「金のいぶき」の販売が開始された。
実りの秋(とき)。秋は昔から五穀豊穣の「時」にちなんで「とき」と読まれた。
金のいぶきの秋が、やって来た。